スイッチOTC薬控除とは?
今回は、医療費控除の特例についてみていきましょう。
1)医療費控除の特例
現行の医療費控除は、10万円を超えた金額にのみ適応になっておりましたが、
今回の医療費控除の特例は、「スイッチOTC」と呼ばれる薬を購入した代金が1万2000円を超えると、所得から控除できるというものです。
控除金額の上限は「88,000円」となっております。
例:スイッチOTC薬の購入額が年間100,000円の場合
100,000円-12,000円=88,000円
したがってこの場合は、88,000円が控除対象となります。
2)「スイッチOTC」とはどのような薬?
ここで気になるのが、「スイッチOTC」とはどのような薬を指すのかということではないでしょうか。スイッチOTCは、もともと医療用で使われていた薬品が安全性などに問題ないと判断されたため、薬局で販売できるような一般的な医薬品に変わったものを指します。
有名なスイッチOTCの薬品では、痛み止めとして広く使用されている「ロキソニンS」や胃腸薬や抗アレルギー作用のある薬品などがスイッチOTCに含まれています。
3)利用期間や利用できる人などの条件もある
今回の医療費控除の特例ですが、適用期間が平成29年1月1日から平成33年12月31日までの期間となっています。そのため、平成32年分(2020年分)の確定申告までが対象となっています。
現在の医療費控除を受ける場合には、この特例は適用されないそうです。
また、健康維持及び予防への取り組みの証明書を提出・提示する必要があるということです。
例:インフルエンザの予防接種を受けた領収書
健康診断の結果通知書、がん検診や人間ドック等の結果通知書 など
≪まとめ≫
① 「スイッチOTC」と呼ばれる薬を購入した代金が1万2000円を超えると、所得から控除できる
② 「スイッチOTC」とは、医師によって処方される医療用医薬品から市販薬に転用された成分を含む医薬品
例:鎮痛成分のイブプロフェン、ロキソプロフェン など
※対象商品には、パッケージに「セルフメディケーション税 控除対象」と識別マークがつきます。
③ 通常の医療費控除とスイッチOTC薬控除のどちらかしか適用できない
④ 健康診断の結果通知書など健康維持及び予防への取り組みの証明書を提出・提示する必要ある
⑤ 適用期間が平成29年1月1日から平成33年12月31日までの期間
期間限定の特例ですので、いち早く理解し、どんどん活用していきましょう!